寓話
編集部の二冊の総勘定
ある新聞社の編集部は毎日十数本の見出しとリードを出していた。早年は老編集者一人が全体を統括し、大きなノートを持ち、左に今日使った見出しを書き、右に誰がいつ直したかを記した。月末になると、先週と違うのに誰もいつ変わったか分からない見出しが必ず何本か見つかった。
新聞社は増ページ後に四人の若い編集者を雇い、大きなノートは共有ドキュメントになった。四人が同時に一つの見出し領域を編集し、君が半分変えて私が戻し、見出しは一日のうちに五回も変わり続けた。編集長が校閲しようとしたとき、見出しはすでに三回上書きされており、初校時に何と書かれていたかさえ見つからなかった。
総編集室は思い切って台帳を二冊に分けた。一冊目は作業流水と呼び、各版の見出しを誰が起草し、誰が審査し、誰が署名して掲載したかを記録し、一つの見出しが着想から紙面掲載に至るまでの流れを管理した。二冊目は改訂記録と呼び、見出し内容が逐次変化したスナップショットだけを記録し、誰が承認したかは問わなかった。
元旦特刊で一度問題が起きた。ある評論の見出しが掲載前に編集長によって急遽一句変更されたが、編集長は変更後に組版班へ通知するのを忘れた。組版班はまだ前の版の見出しを使っていた。翌日、読者が紙版と電子版の見出しが一致していないことに気づき、苦情がホットラインに殺到した。作業フローを調べると、編集長の署名記録は残っていた。改訂記録を調べると、組版班が受け取ったスナップショットは署名版より二時間早かった。
事後の振り返りでは、二つの帳簿はどちらも間違っていなかった。作業流水は誰がどの版を承認したかを記録し、修訂記録は各版の内容をありのまま保存していた。問題は二つの帳簿の間に関連の印がなかったことだ。編集長が署名したとき、どの修訂スナップショットを指していたかを記録した者がいなかった。作業流水には署名があるが、その署名はどの修訂タイムスタンプとも一致しない。
新聞社は後に二つのシステムの間に一本の線を加えた。署名のたびに、作業ログが対応する改訂スナップショット番号を自動記録する。以後、見出し事故を調査するときは、まず作業ログで署名判断を見つけ、次に改訂記録へ飛んでどの内容が発行されたかを確認する。二つの帳簿は別々に記録するが、線の端はつながっている。
年末の棚卸しで、編集長は総括に一文を書いた。プロセスが管理するのは人の動作と意思決定ノードであり、履歴が管理するのはコンテンツ状態の時系列である。二つの記録は同じツールに存在できるが、一つの記録が誰が同意したかとコンテンツがいつそうなったかを同時に答えられるとは期待しないこと。この二つの問いの検索方向は直交している。