寓話
堤の水位計と水門の署名簿:数字は測って出すもので、署名で決まるものではない
河防衙門には、堤を守る者と水門官がいた。毎年、汛期になると、堤を守る者がまず第一の堤を築き、放水路を掘り、弱い箇所に土嚢を積んだ。それを終えると、水位尺を水門に当てて、水門官に数字を一つ報告した。水門前の水位は三尺七寸。水門官はその数字を見て警戒線の五尺を確認し、署名して承認した。五尺を超えなければ水門は開けない。この流れは三年間続き、各村の作物は守られた。
翌年の夏、雨が12日間降り続いた。水位は3尺7から4尺5まで上がった。堤の番人は慣例どおり測って報告し、閘官は慣例どおり署名した。まだ5尺に達していない、開門しない。2人はそれ以上何も言わなかった。3日目の夜、上流の古い堤が裂け、水が下流へ押し寄せ、閘口を越えて2つの村を浸した。事後の追及に、省から人が来た。
追査チームは、二人が同じ表を見ているのに別のものを理解していることに気づいた。堤防守の表には「残余リスク:四尺五」とはっきり書かれた行があり、その下に対処措置——堤防構築、洪水誘導、土嚢積み——が並んでいた。閘官が署名したページの見出しは「リスク受容」で、彼はこの署名がリスクがすでに解決したことを意味すると考えていた。堤防構築が水位を六尺から四尺五に下げただけで、ゼロにしたのではないことを彼は知らなかった。堤防守は閘官が残余リスクの数字を見て署名したと思い、閘官は署名すれば水位がゼロになると考えていた。
追査班は役所の壁にフローチャートを貼り直した。第一欄は初期リスク——放置すれば六尺に上がる。第二欄は処置措置——堤を築いて四尺五寸に抑える。第三欄は残余リスク——四尺五寸であり、ゼロではない。第四欄で初めてリスク受容に至る——閘官が四尺五寸を見た後の署名決定。署名が管理するのは第四欄の決定であり、リスク自体は第三欄の数字にのみ関わる。
役所は制度を改め、二重署名を求めた。堤防の守り手は処置証明に署名し、自分が何をしたか、処置後にどれだけのリスクが残るかを白紙黒字で明記する。水門官は受諾証明に署名し、残存リスクの数字を見て、どれだけ残っているかを把握し、結果を受け入れる意思を示す。二つの署名は同じ行にはなく、一方は処置の境界を、他方は意思決定の責任を画定する。
その後のある秋の増水で、水位は四尺八に達した。堤の守り人は「処理後の残り四尺八」と報告し、閘官は隣村の避難経路図と照合して署名し受け入れた。翌日、水位は四尺九に上がり、閘官は一時間早く閘を開け、水は村に入らなかった。振り返りで追跡班は結論欄に五文字を書いた:数字は数字、意思決定は意思決定。
老いた堤防守りは引退の際、弟子に一言残した:処置はリスクを下げられるが、リスクを消すことはできない。残存リスクを正直に報告することは、それを美しく仕上げるより十倍役に立つ。なぜなら水門番の手にはいくつかの村の人命がかかっているからだ。