寓話
スープの味から秘伝のレシピを当てる
薬舗は薬丸の各種病症への効能を公表したが、患者の薬方を明かさないと約束した。外郷の郎中は処方を問わず、極めて珍しい病症を繰り返し変えて尋ね、効能表の微小な変化を細かく記録した。
当初、店主は公開しているのは集計数字であり、誰も傷つけないと思っていた。しかし珍しい病症が現れたとき、郎中はいくつかの回答をつなぎ合わせ、あの患者がかつて使った薬材を推測してしまった。
店主は直ちに細かすぎるグループ別報告を停止し、サンプルが少なすぎる結果を統合し、異常に頻繁な問い合わせを制限した。敏感な病状に関する照会は審査を経る必要があり、一見普通の質問の連なりで個人像を組み立てることを防いだ。
薬舗は依然として有用な効能情報を公表するが、もはやあらゆる細部を無害とは見なさない。モデルやシステムの出力だけを見ても、誰かが痕跡を辿って入力中の秘密を逆算する可能性がある。