寓話
病院の当直申し送りノート
ある三甲医院のICUには当直申し送りノートがある。看護師は申し送り時に全ての患者の特別注意事項をノートに書く。三号床は血圧不安定、七号床は薬物アレルギー、九号床は未明に血液ガス分析を行う。ノートは看護師ステーションの台の上に置かれ、各看護師は申し送り時にまずノートを開く。
新しく来た看護師長は、帳面がびっしり書かれているのに、後ろの多くの項目がずっと観察待ちの状態のままで、処理結果を確認する署名がないことに気づいた。三号床の血圧不安定は七日間書かれ、毎日の申し送りにもあったが、七日間のうち誰が追跡しているか、医師の指示が調整されたか、血圧傾向が改善したのか悪化したのかを明確に記した記録は一件もなかった。
看護師長は規則を変えた。申し送りノートの各高リスク記録には、当番の責任者を必ず記すこと。三号床の血圧が不安定と書く際には、後ろに看護師の氏名と追跡開始時刻を添える。次のシフトへの引き継ぎ時、責任者は状態を更新しなければならない:改善、悪化、または維持。責任者の署名がない項目は申し送り完了とみなさない。
ルール運用の初週に、典型的な問題が一つ見つかった。申し送りノートに四件の記録があったが、責任者の印が一度も押されていなかった——いずれも看護師が忙しい合間に走り書きしたもので、誰も引き受けず、誰も追跡していなかった。看護師長は未引受の項目を印刷してホワイトボードに貼り、毎朝のミーティングでまず未引受リストを確認し、すべての項目に署名が入るまで続けた。
半年後の院内感染検査で、検査班はランダムに20件の申し送り記録を抽出し、処理クローズ率を照合した。合格率は規則変更前の60パーセントから92に上がった。検査班が看護師長に何を正しく行ったのか尋ねると、看護師長はただ一つだけ行ったと答えた。ノートに書かれたすべてのリスクには、必ず一人が署名して責任を負うこと。ノートは容器であり、署名はエンジンである。
後に看護部はこの経験を全院に広げた。あらゆるリスク登録ツールは、調達または導入時に、受け入れ基準に「各項目を責任者に紐づけられるか」「責任者の変更が記録されるか」の二項目を含めなければならない。ツール自体は責任問題を解決しないが、ツールが責任の紐づけを支援しなければ、責任の記録はチャット履歴や口頭伝達に散らばってしまう。
年末総括会議で、看護部長は六文字だけ書いた:登録は管理ではない。台帳がどれだけ厚く、項目がどれだけ多くても、署名のない項目は一行の記述にすぎない。記述から管理行為へ変わるのは、その署名線の後ろに人が立っているからである。